どうも、ミカエルです。
今回のお話は、初のマラテで繰り広げられた、キムの迷走のお話です。
よろしくお願いします。 押忍!
タナベのスタッフと何か話をするサニー。
時間が遅かったのか、断られた様である。
店を出て歩き出すとサニーにここは危ない街だからと、バッグを体の前で持つ様に言われた。
危ない街と聞かされると、なぜかそこら中のフィリピン人全員が悪い人に見えてくる。
自然と身構えるとともに、僕の菊の門にもキュッと力が入った。
もちろん、マラテを歩いているだけあって、何人もの日本人とも、すれ違っていたのだろう。
だが、この時の僕には全く目に入っていなかった。
それほど、緊張していたのだと思う。
しばらく歩いて、結局サニーが選んで入ったのはGokizipだった。
初めてのコリアンレストラン。
注文した肉以外にも、色々とサービスが付いてくることを当時は知らず、サラダ、スンドゥブなどを追加で注文してしまう。
食べることに関しては力強い味方、キムをもってしても食べきれる量ではなかった。
食事が終わり、持って来られた伝票を見てあまりの安さに驚く。
別に何か得した訳ではないが、なぜかとても得をした気分だ。
お腹もいっぱいになり、支払いを済ませて、いよいよファミリーKTVに向かう。
なんせ外は、ものすごっつ危ない、無数の強盗が潜んでいる、そこら中に泥棒だらけの街(この時点ではそう思っている。。。)を再び歩き出すのだ。
おのずと、菊の門が今一度、キュッと締まる。
今考えると、マラテベイビューマンション前のGokizipからMusic21に向かっているだけなのだが、この時はとても遠く感じた。
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Music21に着くと、サニーが受け付けを済ませ、部屋に案内された。
日本で言うところの、カラオケボックスだという事を初めて理解する。
とりあえず、バケツでビールとフードを頼むが、キムによってビールがもの凄いスピードで空いていく。
もちろん、Music21で飲むビールなんて、ものすごっつ安い。
いくら飲んでくれても構わないが、急性アル中で倒れんちゃうん?ぐらいの勢いだ。
サニーはというと、マイペースでどんどんと曲を予約し、ご機嫌で歌いまくっている。
2時間程すると、キムの様子は明らかに、ぐでんぐでん。。。
セクシーさ及び、介抱してあげたい度は皆無だ。キムには申し訳ないが、放置プレーの一択しか選択肢にはなかったwww
サニーはそんなキムの姿を見て、大爆笑しながら何か煽っている。
すると、キムがセクシー風な表情を浮かべ、少しはにかみながら、脱ごうとしだした。
今にもキムによる、セクシー風ショーが始まりそうな勢いである。
そして、止めろキム!
日本人は誰一人、おっさんのそんな姿を求めていない!
そんな事をして、誰が得をする?誰も得しないだろう!
落ち着けっ!落ち着くんだキムっ!
ハウスっ!キムっ!
と、キムを全力で止める。
キムは、ギャハギャハ笑いながら、トイレに行くといい、部屋を出て行った。
10分経過。。。キムなんか遅いな、まっ、でもあのガタイなら、大っきいのがいっぱい出て時間かかっても、おかしないわな。。。
20分経過。。。帰ってこんやん!おっさんトイレの中で寝てんちゃうん?
30分。。。さすがにおかしない?? あれだけ酔っ払っていた事もあり、急性アル中で倒れてんちゃうん?と思い、トイレに探しに行く。
とりあえず、男性トイレ(だって、言うて男ですもの、何か?)。。。いない。。。
と、思いながら、女性トイレの前から呼びかけてみるものの、返事がない。
しかも少し恥ずかしい。。。
フィリピン人から見ると、変態日本人が女性トイレに向かって、何かおがっている!っという構図ができてしまっている。
あれっ?と思いながら、空いている、他の部屋を見回るがキムはいない。
1階に降り、受付横の待ちスペースを見るものの、いない。。。
どこ行ってん??と、辺りを見回すと、入口の前にいるセキュリティが、僕に手招きをする。
セキュリティに近づき、フィリピン人特有の、目線と唇の動きで示す、指さしの方向を見ると、、、
キムがホームレスのごとく、外で寝ている。。。
と、思いながらも、キムを必死に起こすが、キムは起きない。
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一旦部屋に戻り、そのことをサニーに伝える。
さすがにサニーも外に出て、キムの介抱をするが、キムは起きない。
とりえあず、Music21のチェックを済ませ、セキュリティに手伝ってもらって、おっさんを捕まえたタクシーに詰め込む。
僕は助手席に、サニーは大柄なおっさんを膝枕する形で、フォーメーションを固めた。
サニー曰く、ホテルからそんなに遠くないとのことで、このままキムを家まで送ると言う。
かくして、僕の初めてのマラテ訪問は、この様な結末で幕を閉じた。
タクシーで走ること40,50分だろうか? キムの家に到着する。
もし、キムが起きなければ、この大男を僕ひとりで部屋まで運ぶのは、確実に無理だ。。。
タクシードライバーを巻き込んでの、壮大な運搬劇になることは間違いない。。。
サニーがキムに何か声をかける。。。
…
…
『ムクっ!うんっ?んっ?』
…
…
キターー!キムオキター!!
キムが起き、自らタクシーを降り、歩みをすすめようとしている!
感動の光景だ。
生涯でもう一度だけ、この言葉をあなたに贈ろう!
僕はタクシーの中で待ち、キムはサニーに付き添われながら、建物の中に消えていく。
タクシーの窓から、今日は少し弱っている、彼女の大きな背中を見つめ、この旅2回目の永遠の別れを告げた。
その後、サニーと僕もホテルに戻り、長かった滞在2日目が終わった。
続きは次回。
TEAMあわよくばの本日の記事をお読みいただき、ありがとうございました。